|大会長挨拶

日本口腔検査学会 第16回学術大会

大会長 山下 秀一郎

東京歯科大学パーシャルデンチャー補綴学講座・教授

  第16回日本口腔検査学会学術大会の大会長を拝命いたしました東京歯科大学パーシャルデンチャー補綴学講座の山下秀一郎です.どうぞよろしくお願いいたします.本年度の大会は,令和5年11月4日(土),5日(日)に東京歯科大学水道橋校舎で開催させて頂きます.

  今回は「臨床検査の新たな挑戦と進化」というテーマを掲げました.的確な歯科治療を展開するためには,要所要所に「ものさし」つまり検査が必要です.昨今の診療技術や歯科材料の進歩に伴い,これまで以上に精度の高い治療を行うことが可能な環境が整いつつありますが,「ものさし」をうまく使いこなせるだけの正しい知識や技能を修得していることが前提となります.これがなければ定量的な評価はできず,いつまでたっても試行錯誤の治療が続くだけです.歯科における臨床検査が,わかりやすく容易に応用可能であるためには,新たな挑戦と進化が必須と考えます.歯科治療は経験と勘に頼った一部の匠の技であってはならず,初学者でも検査・診断・治療計画を確実に学べる道筋が敷かれるべきです.今回の学術大会は,このような背景を踏まえ,プログラムを企画いたしました.

  特別講演では,日本大学松戸歯学部の河相安彦先生から『検査に基づく補綴歯科介入の意思決定』と題した講演を,東京歯科大学の寺嶋 毅先生から『新型コロナ対応を通じて経験された検査の重要性』と題した講演を,大阪歯科大学の樋口鎮央先生から『新技術の歯科への応用』と題した講演を,東京歯科大学の田口円裕先生から『新技術の保険導入に向けた流れについて』と題した講演をそれぞれ頂く予定です.さらに,一般口演発表,ポスター発表,歯科衛生士セミナー,ランチョンセミナー等も企画しており,活発な討議が行われることを期待しております.

  本大会が会員の皆様の日々の臨床や研究に寄与できるように,我々の総力を挙げて取り組みますので,どうぞよろしくお願いいたします.また,大会当日は感染症等に対しても十分な対策を講じ、皆様が安心してご参加いただけるような環境作りに努めてまいりたいと存じます.多くの学会員の皆様にご参加を賜りますようお願い申し上げます.